An Essay on the Entrepreneur Network in the Context of the Studies on Japanese Business History
Tsuneo Suzuki
Gakushuin Economic Papers, 2018, vol. 55, issue 1, 1-17
Abstract:
本稿は,これまで分析してきた「企業家ネットワーク」の研究1)を,経営史研究の中に位置づけ,その特徴と意義を明らかにすることを目的としている。明治期から昭和戦前期に至る時期を取り上げた「企業家ネットワーク」を,そこから見いだされた事実を提示するだけではなく,経営史研究全般の中に位置づけるには,どのような手続きが必要なのであろうか。これを考察した上で,本研究のまとめとしたい。必要な手続きは,大きく分けて2つある。一つは,経営史研究に直接関わるケーススタディという方法上の問題であり,二つは,これまでの日本経営史研究全体にどのようにして関係させるのか,という問題である。経営学では,経済学とは違って,ミクロ的主体である企業の行動規範・合理的行動仮説,マクロ的な視点である産業や国の問題に関わる分析は十分には扱われてこなかった。そのため,共通な理論的基盤から生み出される相互に関連した研究とは言えず,個々の研究は相互に関係を持つことなく,せいぜい,過去の研究の間隙を縫って,それぞれ共通の分野を対象として,そこでの貢献が中心となってきた。経営史研究においても同様に,基盤となる企業の合理的な行動仮説や個々の研究の基底にあるべき共通の視座,そしてまた個々の研究分野を跨がる視点が欠けていると言わざるを得ない。その結果,個々の研究を統合することが出来ずに,それぞれの分野は独立した存在のような観を呈してきた。そこで本稿は,ケーススタディで扱った対象の一般性について考察するとともに,その一般性を支えている日本固有の価値理念,行動規範をも考察していきたい。一般性については,空間的な普遍性や時間的な継続性の他に,諸外国,ことに先進工業国との比較という視点からも考察していきたい。価値理念については,日本経営史を分析するに当たって不可欠な視点であり,これを後発国という特徴に加えて,日本固有の価値観に基づく行動規範の2つの視点から考えていきたい
Date: 2018
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