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喫煙行動と賃金の関係~パネルデータによる分析~

亜文 孫

No DP14-3, RCESR Discussion Paper Series from Research Center for Economic and Social Risks, Institute of Economic Research, Hitotsubashi University

Abstract: 本論文では、日本のパネルデータを用いて喫煙行動が時間あたり平均賃金に与える影響を推定し、その結果を議論する。近年、喫煙による健康状態への悪影響が広く認知される中で、それによって生じる経済的費用を軽減させるために、禁煙促進効果が期待される増税や受動喫煙を防ぐ喫煙場所制限などの喫煙政策が全国で行われている。これらの喫煙政策の費用・便益分析を行うためには、喫煙行動の経済的費用を推定し、喫煙者を減らすことによる経済的便益を知ることがより必要である。喫煙行動は、家族・友人関係などの環境要因や、能力・嗜好などの先天的要因、社会的経済要因に依存する。これらの諸要因は、喫煙行動だけでなく賃金にも影響を与える。分析では、これら観測不能要因による省略変数バイアスを、9カ年分のパネルデータを用いてコントロールし、異なった仮定の下で喫煙者と非喫煙者の賃金差が喫煙行動の違いによって起こっているのかを再検証していくことを目的とする。その結果、男性では観測不能な個人間の異質性が喫煙行動の悪影響を過大評価していたことがわかる。しかし、それをコントロールすることで、男女ともに結果は統計的に有意ではなくなり、喫煙と賃金の間には因果関係はないことがわかった。操作変数法や頑健性の確認を行っても同様の結果となった。本論文ではパネルデータを用いることで、喫煙者と非喫煙者の賃金差は喫煙行動の違いによるものではなく、データでは観測不能な個人間の異質性によるものであることを示した。今後の課題として、長期的な影響の検証とメカニズム解明があると考える。

Pages: 29 pages
Date: 2014-12
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